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CANNIBAL RABBIT-new album-”Sensor”レビュー

CANNIBAL RABBIT

Sensor - New Album

Sensor 1.
2.M
3.citrus
4.
5.夜の所為
6.TV
7.夢の中
8.NEVER LAND
9.触角
10.Time Limit
アーティスト名 / CANNIBAL RABBIT
作品名 / Sensor
発売日 / 2008年初頭
品番 / VDCA-5105
レーベル / LOVE 2 SKULLS

近年、EVANESSENCE、LACUNA COILといったバンドの世界的台頭によって、ラウドロック、モダンヘヴィネスといったジャンルにおける女性Vocalの数は飛躍的に増えてきたといっていい。ただ、多くの場合はオマージュとは言えないフォロワーであったり、分かり易いくらい楽曲が似ているといったバンドが多いことも現状ではある。

重たい音、透明感のある歌、と比較的抽象的な要素ではあるはずなんだが、どうしてもセグメントされがちに思える。今回、CANNIBAL RABBITのnew album[CITRUS]を聞くにあたり、正直、全くの先入観からそういった音というものを想像していた感は否めない。だけど実際に展開される彼女達の音というものは、前述の要素なんか全て吹き飛ばした「個性」に満ち溢れていた。

とにかく全編通して、とてつもない位のドライブ感。16分を縦に揺らしてボトムに落とし込むヘビネスではなく、辺りかまわずブチまけるロックスピリットに満ちている印象だ。マイナースケールのロック、ロカビリーを基調に、アナーキーなパンク色やしっかりと聞かせるポップネスも持ち合わせている。なんていうか、ダークなおもちゃ箱でもひっくり返したようなバラエティー感ていうんだろうか、色鮮やかな楽曲が四方八方に散乱していて、でもどれもが魅力的なおもちゃで、片付けて元にもどしてもガマンできなくなってまた散らかっていくみたいな。とにかく聞いていて飽きが全く来ないわけだ。

その弾け具合はアルバムの最初から襲ってくる。イントロの「序」を打ち消すように、歪んだベース音、炸裂するスネアがつんざき弾ける#2「M」で幕を開ける。腹の底の黒い何かを吐き出すかのようにシャウトするVocalが絡み、前述通り完璧にドライブしていく。更に全く勢いは失わないまま#3「CITRUS」へと突入。なんといってもリフの切れ味が抜群で、マイナーで展開されるロカビリースタイルの曲構成に、絶妙なギターのクランチ音。ロック、ロカファンなら生唾モノのディミニッシュなコード感で背筋にゾクっと来る。

ただ、ここまでなら勢いのある良質なロックバンドというだけで終わってしまうが、この先#4、#5と続けて聞いていくうちに真骨頂であるジャンクな部分が露出してくる。特に#4「夜のせい」はゴシックワルツというかダーティハチロクバラードとでも言える、恐ろしく世界観を持った雰囲気がたまらない。リードギターのクラシカルな様式美アプローチもしっかりとツボをおさえてくるといったかんじ。

そして個人的に非常に好きな流れだなと感じた#6と#7の流れだ。割と力押しなロックなんだけど、Vocalうさの魅力がすごく伝わってくる。どこかルーズでエロティックな雰囲気がありながら、歌詞の粒が降ってくるし、楽器隊の勢いを絶対に邪魔しない適応力というか逆に後押しするかのようなパワーが気持ち良い。特に「夢の中」は、その調子っぱずれ具合がエロくていい(笑)やっぱりロックの女性Vocalはその辺りの武器をふんだんに使って欲しいというのが兼ねてから思っていたことだったが、それを音に乗せてくれると改めてグっときてしまう。

また、ここまでは総じて波はありつつもロックを根幹におきながら展開されてきているが、#8「NEVERLAND」では彼女達が持つポップさというものが出てくる。アーティストというのは元来プライドで固められたような人種で、オーディエンスのことなど考えずに内に内にとセグメントしていく人が多いとおもう。でも彼女達の音楽の中には確実にリスナーへの思いが息づいていて、「聞かせたい」って気持ちがすごくこの曲で伝わる。まあ当然最後まで聞けばただのポップでは終わらず、エグさみたいなものも盛り込んでるんだが(笑)

とにもかくにも、何度も書いているようにその「ドライブ感」のせいか、最後の曲に至るまで、一気に駆け抜けていく。2周目、3周目と聞いていくうちに新たな発見をしていく。「おもしろいアルバム」という表現がしっくりくるだろうか。暗い雰囲気もあるのになぜだか爽快感みたいなものも残る。実に不思議な作品だ(笑)

アンダーグラウンドなバンドシーンにおいて、良質な音楽というのは確かに存在し、息づいている。彼女達にはこのアルバムを是非多くの人へ届けて欲しいとおもうし、ジャンルや人種を超えることのできるアイテム「ロックな魂」をいつまでも持ち続けて欲しいと願うばかりだ。

Artist:CANNIBAL RABBIT
Review by Low-K(audioleaf) at 2007.11.05

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