audioleaf WEB MAGAZINE

大西ワタルのDTM機材メッタ斬り!! Vol.3

2009年8月26日14時23分 in レビュー

こんにちは。今年の夏は納得いくまで宅録できましたか?
今月は入門者向きレコーディング機材ブランドとして名高いBEHRINGER(ベリンガー)の小型ミキサー「XENYX 1202 (ぜにっくす いちにーぜろにー)」をチェック。この会社は非常に安価で良質な製品を多く作っていることで有名なドイツのメーカー。その中でもコンシューマーが気軽に宅録をするのに適していると思われるXENYX 1202を選んでみた。



今回もやはり取説は読まないで触ってみた。見た目的にはコンパクトなボディの中にミキサーとしての基本的な機能が詰め込まれているといった感じ。マイクとラインのどちらかを入力できる1~4のチャンネルと、ステレオのラインを入力できる4ペアのチャンネル(5-6、7-8、9-10、11-12という表記) が用意されている12インプット仕様となっている。この5-6~11-12のステレオインプットのツマミ類は、スペースをケチる為かボディ上でのレイアウトが分かりづらい。マイク入力ができる1~4chには3バンドのEQ (イコライザー;コンポについてたり、iTunesについてる低音や高音を上げたり下げたりするアレ。3バンドというのは、高域、中域、低域の3つの帯域のコントロールできるという意味。iTunesの"イコライザ"は10コのツマミがついているので"10バンド" ) がついている。また"FX"という、本体からリバーブやディレイのエフェクターに音を送る時などに使うツマミがある。一般的なミキサーでは"AUX Send"みたいな表記になっていて、これは外部に出力するという意味がある。用途としてはリバーブやディレイなどの空間系エフェクターを使う時に使うことが多い。BEHRINGER 1202の場合これを分かりやすいようにFXとしているようだ。そういう事なので、外部のエフェクターをつながずにこのツマミをただ上げてもリバーブなどのエフェクトがかかるワケではない。ここの所は初心者には誤解を招きやすい表記の方法だと思う。

音質面のチェックでまず今回は、やはり歌声でのマイク入力の性能を試してみたかったので、bazooka studio所属のデザイナー/シンガーの橋本氏に登場をお願いした 。余談だが人間の声というのは、誰しもが生まれた時から知っているもので唯一無二のリファレンスになるといって過言では無い。ミキサーだけではなく、スピーカーやレコーダー、マイクのチェックにも欠かせないものだと思う。橋本氏には通常のレコーディングと全く同じ方法で歌ってもらい、録音しラージモニターで聴く。スタジオはbazookaの 5.1を使った。使用するマイクは、レコーディングの現場ではスタンダードな存在のAKG C414ULS (あーかーげー しーよんいちよん ゆーえるえす) 。とても素直なキャラかつ、フラットで良質なマイク。 対決させる機材 (マイクプリアンプ) は前回同様、bazooka sutio所有のGML8400だ。

まず僕が普段聴きなれているGMLのマイクプリアンプで歌ってもらう。原音再生能力に優れている機種で、とても微小なアタックから僅かなローのふくらみまで余す事無くとらえている。その後、BEHRINGERのマイク入力レベルを同じにしてもう一度歌ってもらう。「お~、BEHRINGER1202のマイクインプットの音質は以前の同社製品に比べかなり良くなっているなぁ」という印象。いままでのシリーズの音も知っているが、正直に言えばそれは劇的にショボかった…。今回の「XENYX」シリーズになり、音質はほとんど気にならなくなった (気になるのは某"ライバル(?笑)"メーカーにも似たような名前の新しいシリーズがあり、そこでも新しい音質のアプローチをしていたように思われる。BEHRINGER社は以前このライバル会社の製品をマネした疑惑で訴えられている。) 。ローもフラットだしハイも痛くない。パッと聴きでは全く問題ない。しかし注意深く聴き比べると、立体感のようなものはやはり少なく感じ、中域も粗い。GMLと比べて芯が無い印象があった。また歌ってくれた橋本氏は「モニター音がとりづらい」と言っていた。若干、クセがあってフォーカスが甘い感じ?しかしこれらの印象もGMLという高級機との比較だからであって、実売価格1万円前後といった値段では考えられないくらい良い。歪ませた音はGMLより使えそうなので、激しい音楽やってる人、このミキサーで歪ませながら歌を録ってしまうのも面白いかも。その時は、インターフェースやMTRの入力部分では歪ませずミキサーだけで歪むようにする。マイクを入力したチャンネルのボリュームをかなり絞り、マイクインプットのゲインを上げてゆき、その状態でインターフェース/MTRに適正な音量で行くようにチャンネルのボリュームを上げて行くようにするのが良いと思う。歪ませた音について実は別の音で実験していて、それは後日改めてレポートしてみたい。

次回はベースとギターのアンプの音をマイクで録ってみての音と、ミックスバッファーとしての能力を試したいと思います。


今回登場してもらったシンガー橋本氏。

Written by

名前:
大西ワタル
サイト:
http://bazookastudio.com/
最終更新時間:
2013年05月27日20時38分