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大西ワタルのDTM機材メッタ斬り!! Vol.8 -amplitube fender その2-

2009年11月25日18時21分 in レビュー

お約束通り、バズーカ所有のギターアンプと対決させてみた。Twin Reverb'65同士で対決させたかったのだが、あいにくバズーカ所有のアンプはTwin Reverb II だったのを了承いただきたい。



今回はマイクにshure(しゅあー)のSM57(えすえむごーなな。以下57)を使う。ギターアンプを57で録るというセッティングは、宅録を始めたばかりの初心者からグラミー受賞アーティストまで、あらゆるレコーディングで使われていると思われるほどだ。そんなマイクのシミュレーションがどれだけ出来ているのかも、試聴してみたかった。

まずアンプ実機とamplitube fenderのツマミのセッティングを同じにし、マイクの位置も出来るだけ似せてみる。

実機の音はパッと聴き中高域が多く、超高域、低域は少なく、耳に痛く聴こえた。これは現場でもよくある事で、コンボタイプのアンプの場合は特に、プレイヤーとアンプのスピーカーの位置関係により、プレイヤーに聴こえている音とスピーカー正面で鳴っている音が違う。みんなも試してもらえば解ってもらえると思うが、まず普通にアンプで気持ち良い音を作り、次に、スピーカー目の前のマイクを立てるポイントに顔を持ってきてみると、まるで違う音になっている。"まるで違う音"を録音してもムダなので、このときは"スピーカー正面で良い音"をツマミで作りこむか、またはアンプで音を作ったときの顔の位置と、スピーカーを結ぶ直線上にマイクを置くのが良いだろう。ちなみに、スピーカー正面に耳を近づける時に音量が大きいと耳がやられてしまうので、このときはマスターボリュームがある機種ならそれを下げれば良い。マスターボリュームはパワーアンプの電力量を変えるので、特に真空管タイプのパワーアンプの場合だとドライブ感が変化するのと、スピーカーを振動させるエネルギーが変わるのでスピーカーの鳴り方も変わる。音質ももちろん変わるのだが、最初の音作りの段階では、そこまで気にしなくて良い。
また、マスターボリュームは大きい方が音が良いと考える人も多いようだが、僕個人は必ずしもそうでは思う。もちろん、あからさまに小さすぎる音量だとSNが悪くなったりして良くないのだが、爆音にしすぎるとパンチが出すぎると思う。憶測だが、スピーカーは限界ギリギリのエネルギーを入力されても、本来の能力を発揮できない場合もあるのではないだろうか。

結果を言うと、ハイファイな音はシミュレーターの方が簡単に出るだろう。
しかし中域の倍音、ザラつき、またピッキングのニュアンスは本物の方が勝ってる。
あとはやはり使い古された表現になってしまうが、空気感みたいなものは本物でないと出ないと改めて思う。
空気感というのは、アンプを設置してある"部屋"の反射や共振で発生する、きわめて微量の残響、倍音成分、位相の変化、言葉通り空気の振動かもしれない。それはリバーブみたいに明確には聴こえないものだが、同じアンプ、同じ設定、同じ竿でも部屋が変われば確実に音も変わる。また、真空管の発する焼け付くような"熱量"みたいなものがシミュレーターには無い。
シミュレーターと実機を比べるにあたりツマミやマイクのセッティングを同じところからスタートしたのだが、実は今回も、シミュレーターと実機の音を近づけるのは簡単ではなかった。ツマミの設定だけでは上手く行かず、マイクの距離、狙うスピーカーの位置、マイクの角度、など1cm刻みで試し、やっと納得いく結果が出た。つまりどこにマイクを置いても違う音が出るし、だから面倒なのだが、逆に言えば自由自在ともいえる。しかしこれはやはり自宅では無理だ。

今回のまとめとして、このシミュレーターは、フェンダーが好きな人なら買うべし!プラグインとして使えるのが手軽。フェンダーが特に好きじゃなくてもバリエーションの一つとして、インストールされていても損は無い。またキャラの違うベースアンプのシミュレーターを探してる人にもお薦め!

Written by

名前:
大西ワタル
サイト:
http://bazookastudio.com/
最終更新時間:
2013年05月27日20時38分