audioleaf WEB MAGAZINE

No.09・sing, sing, sing

2009年12月26日18時38分 in コラム


さて、パンスト+割り箸による手作りポップ・ガードも完成したトコロで、歌録り環境について少々。歌を録音する際の"キモ"になるのは大きく分けて3つ。

・環境
・音質
・入力値


で、まず環境。
コレをリハスタで録る、というのなら実はさほどの問題はない。何しろ、そこは大前提として"防音された部屋"だから。
で、コレを自宅で、となると少々厄介。何がって、まず騒音問題。周りの音が遮断されてない、ってことは外部からの音も入るし、ついでに歌ってる声も外へ漏れて、場合によっちゃ近所迷惑なハナシ。それがカヒミ・カリィばりのウィスパー・ヴォーカルだ、ってんならまだ良いけど、通常は普通に喋る声よりもデカくなるのがアタリマエ。しかもそれがロックなら尚更のこと。ではどうするか。
これはあくまでもオレの経験による方法なんだけど、厚手の布団を被るの(.....)。
もちろんマイク・スタンドとポップ・ガードが固定されていて、そこからだいたい自分の握りこぶしひとつ分くらい離れるのが理想。どうやるんだって?、実は傘式の"電気スタンド"を使う。
ま、そんなに都合良くあるワケないかも知んないけど、電気スタンドのてっぺんからスッポリ布団を被せて、その中にマイク・スタンドとポップ・ガードとオレがいるワケ。で、出来ればデカイ布団を使って、電気スタンド自体をまず椅子などの高い所に乗せる。これで本人の腰のあたりまで布団でスッポリと覆って、裾広がりの中に入る。これで"布団ブース"の出来上がり。.....ん?、ポップ・ガードとの距離感とか歌詞カードが見えないって?。
今いるのは電気スタンドの中。そう、電気付ければイイんだよ!(笑)。


続いて"音質"。
まあね、マイクの性能なんて本当にバラバラで、どんなマイクが良いのかも音楽的な方向性や歌い手の声質によって全然違う。ならば何処にでもあるShure SM58で、リハスタの卓を通すなりインターフェースに繋ぐなりして録るだけで良いんだけど、ありがちなのが"過剰なEQ"。
例えば録り音がラフに鳴ってるだけのオケに対して「もっと抜けが欲しい」と言って高音を上げちゃったり、「太い声が良い」と中低域を持ち上げたりするのはNG。少なくとも、録り音はソリッドで良い。
何故なら、最終的な歌パートの音質はオケがミックスされてみないと解らない。そこで「しまった、録りの時点でやり過ぎた」と思っても手遅れ。ならば、可能な限りナチュラルに録るのがオススメ。
で、どうしても録りの時点で問題を感じるのなら、まずトライして欲しいのはマイクと歌い手の距離や角度。
吹きが強いのなら少し離れるとか、やけに重い感じになるのならややマイクを口から鼻の方へ上向けてみるとか。意外にこういったことで解決することがたくさんある。
それと、ついでに言っておきたいのが、ドラム録りの時と同様に"クリック漏れ"に注意すること。
特にロック系とかだと、当然モニターのヴォリューム上げて気持ち良く歌いたい。で、それがヘッドホンからガンガンに漏れて、ブレイクで歌だけになるところなんかでクリックがキコカコ鳴ってて取り返しがつかなくなったりする。仮にあとで波形編集やオートメーション書くにしても、そのおかげでブレス部分がなくなっちゃったりして残念な結果になることが多いので要注意。
あと、ヘッドホン・モニターが苦手で音が取りづらい、という人もいると思うけど、そんな時は片耳だけヘッドホン外して歌うのがオススメ。
で、その際外した方のヘンドホンを耳より前にずらしちゃダメ。必ずマイクから遠い耳の後にずらすこと。そうしないと、あとでヴォーカルにコンプとかした時に恐ろしくガイド音が聴こえて来る.....。


さて、"入力値"。
多分コレが最も難しい。まず、当然ながら高すぎれば声を張ったところで音は割れてしまい、小さすぎればミックスの時にノイズが気になる。よって、丁度良い入力値が必要になるワケだが、コレが難しい。楽器に比べてダイナミック・レンジや母音/子音、表現方法なんかによってヴォリュームの大小が最も激しく、且つミックス時に場所によってデカ過ぎたり聴き取れない箇所が出て来たりするのが人間の声。
で、ミックス時にはそれをフォローするためにコンプがあるワケだが、当然録りの段階でもコンプを通すことをオススメする。
でもそれはあくまでも入力時にある程度の補正をしておくためだけのものであって、ガチガチにやっちゃダメ。デカ過ぎる頭を押さえ、小さ過ぎる尻尾を持ち上げる。そのためにはプラグ・インのコンプで充分。
今回"風の唄"のタイチのヴォーカル録りではプラグ・インのUrei1176を使用。設定値は殆どデフォルト、つまり薄がけ。で、ウィスパーな平歌と声を張るサビで、マイクからの距離をコントロールした。最低限の設定と歌い手の工夫。それさえあれば充分。

さて、ついでに今回の"風の唄"、サビは1オクターヴ構成になってるんだけど、高い方はタイチには若干厳しいキー。で、当然上下でクオリティに差が出る。具体的に言うと、下は余裕で出るキーなので感情表現も音符の長さも自在、ところが上のパートはキツイのでその通りにならない。で、例によってオレのサビはダブルが基本、今回は下のパートがダブッてあって、上が1本という構成。なので上手く歌えた下のパートを基本に、上のパートを波形編集して合わせ込んでみた。具体的にはタイミング、長さ、そしてしゃくったりビブラートかけたりのピッチ絡みの操作。編集前と編集後を聴き比べてみて。編集前は複数による"合唱"、編集後はレゾナンスを含む"演出"って感じになる。こうやってその曲/歌をどう聴かせるかによって、やることも変わって来るんだ。




では最後に、edit前/後の"風の唄"のサビを聴き比べてみよう。





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最終更新時間:
2010年02月27日18時09分