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大西ワタルのDTM機材メッタ斬り!! Vol.24 - Plug-in限定! Compressor色々 - その2

2010年11月25日21時27分 in レビュー

こんにちは。

今月はアウトボードのアナログコンプレッサーをシミュレーションしたコンプを試してみる。

digidesign SMACK!



これはデジデザイン純正の、アナログ的キャラクターを持つコンプ。操作は、インプットを上げるとコンプが強くかかり、アウトプットレベルを調整するという、パターン。またレシオは1:1~smackまでツマミで段階的に選べる。ちなみにsmackはUREI 1176の”全部押し”モードを意識したものである。このプラグインにはSIDECHAINといって”どの帯域にコンプがかかりやすくするか”というツマミを右上部に備えている。また左上部にDISTORTIONツマミがあり、ODDでは奇数次倍音、EVENは偶数次倍音、ODD+EVENではその両方を得る事が出来る。音色にザラッと感を加えたい時などに使うと良いだろう。
このコンプは何にでも使えるが、やはりDISTROTIONツマミを使ってザラつかせたい楽器に優先的にかけて行く事が多い。ドラムにはレシオ1:1で、コンプレッションはせずに質感だけを加えるといった事もよくする。コンプレッションまた歌を荒れた質感にしたい時などにも使える。操作性はUREI 1176と似ているので使いやすいだろう。しかししっとりナチュラルな音にしたい時は他のコンプを使った方が良い。


JOEMEEK SC2



JOEMEEK社から発売されるアウトボード・コンプレッサーのシミュレーション。
スレッショルドツマミが無く、コンプレッションツマミを右に回していくとコンプが強くなる仕組み。このコンプは実機では100Hz以下の音声には反応しないようになっているが、プラグインではそうはなっていなかったのが残念。
リリースを早く設定するとポンピングしてしまうが、うまくセッティングした時のリリースのカーブはきれい。サウンドは中高域が明るく気持ちよい。実機よりは少しだけ重心が高い印象だが爽やかで上質なアナログコンプという部分は再現されていると思う。筆者はクリーントーンやアコースティックのギターにかける事が圧倒的に多い。リリースは遅めにして注意深く設定すると、ギターのサステインを上手く強調する事が出来る。


McDSP CB4



プリセットを選ぶと現れるツマミも変わる、便利なプリセットコンプである。
British = NEVE 33609
Opto-C = LA2A Compression mode
Opto-L = LA2A Limitting mode
Over EZ = dbx165
S-State = UREI 1176
Tube = Fairchild 670
Tube2 = Manley Variable-MU

ガラッとサウンドが変わるという感じでは無く、コンプとしてのアタックやリリースの設定が内部で変わるみたいだ。キャラクターはMcDSPらしい音。筆者は、Over EZのキャラクターが欲しくてよく使う。

プラグインコンプで再現される"アナログ感"とは何なのだろうか。
まずやはり、設計者の耳でチューニングされたアタック、リリース、レシオの設定だろう。デフォルト設定のツマミ位置にして何も考えずに通すだけで、細かい事を言わなければだいたい良い感じになる(笑)。

もうひとつは、やはり倍音だろう。聴感ではハッキリと知覚できずとも、僅かな倍音が加わる事によってサウンドが豊かになる。その倍音の構成によって音の性格が変化する。しかし、デジタルレコーディング以前のアナログ時代には、アナログ感なんてもの誰も求めていなかった。機材に倍音(=歪み)がある事は、この時代には悪であったのだ!
それをデジタルで再現して復活させるというジレンマについては諸々考えがあると思うが、倍音があったら何故か豊かになってしまうのでやめられない。



次回は、プラグインならではのコンプをレポートしてみたい。

Written by

名前:
大西ワタル
サイト:
http://bazookastudio.com/
最終更新時間:
2013年05月27日20時38分