audioleaf WEB MAGAZINE

大西ワタルのDTM機材メッタ斬り!! Vol.36 -RM 58 LIMITER- その2

2011年7月12日15時37分 in レビュー

今回は前回からひきつづき、珍しいコンパクト型をしたアウトボードのコンプ RM 58 LIMITER(あーるえむ ごーはち りみったー)を試してみたい。



今回はまずドラムのルームマイクに試してみる。
マイク C414→マイクプリ GML8004→RM58LIMITER→ProTools
というセッティング。
これは割と個性的なサウンドになった。
中高域のアタック成分が強調された固いテイストである。ATTACK(アタック)は最速(1)くらいでちょうど良い感じであった。アタックタイムが最速の状態でもTHRESHOLD(スレッショルド)を上げてゆくとやばりアタッキーになってくる。RELEASE(リリース)は曲のテンポにもよるだろうが、どの設定にしてもそれなりの味のあるコンプレッションを聴かせてくれる。
しかし、シットリ系や重心低めで聴かせたい場合は向かないだろう。逆にスピード感を強調するような激しい楽曲では、このトラックの混ぜ具合でコンプ感を足していく事が出来た。


次にGuitarに試してみた

-10dBというのは民生用ラインレベルの規格だが、本機はこの入力がハイインピーダンス仕様となっている為、楽器ととアンプの間のペダルエフェクトとしても使えるという。エンジニアとしては半信半疑だが実際に試してみる。

セッティングは
ギター→RM58LIMITER→Marshall JCM800。



アンプは歪ませた音の設定で始める。
まず、スレッショルドを下げてコンプがかからない状態から、だんだんとあげてゆきピーク時でVUメーターが-3~-5くらいふれるようにし、アタックやRELEASE(リリース)を切り替えてチェックする。
この場合リリースは最速(1)か最長(6)が良かった。最長にしてもリリースのカーブが上手くコントロールされている為か、まったく違和感が無い。プレイスタイルにもよるのかも知れないが、2~5だと中途半端な印象を受けてしまった。
アタックは最速にしてもやはりアタック感が無くならず、ニュアンスを完全に保っている。
しかし残念ながらSNがあまり良くない。IN/OUTのレベルが-10dBだからだろうか。歪みエフェクターをはさんでいる時のようなサーという音が若干入る。しかし歪み系のサウンドであれば、楽曲中でそれほど気になるという感じでもなかったため使えない事はない。クリーン系では気になる場面もあるかもしれない。しかし高インピーダンスを謳っているだけあり、高域成分の劣化などは全く無い。
また、本来の使い方ではないのだがOUTPUT(アウトプット)を上げてゆくとブースターになるわけで、これが枯れた雰囲気で、味のあるブースト具合が好印象だった。



ついでにBassにも試してみる
録音済みのファイルに対してRM 58 LIMITERをインサートするが、これは一番ザラついた印象になった。ベース単体で聴くザラつきが目立つが、オケ中だと逆にラインをハッキリ見せる事が出来る。ただ、ベースの場合は割とコンプ感が出やすかったため、うっすらかけるくらいでちょうど良いところに収まった。

コンプは、質の悪いものだと強くかけるとポンピングといって音が不自然に揺れるようなかかり方をしたりする。また、聴覚上ではポンピングをおこすほどコンプレッションがされているのに、不要なアタックが出てきて肝心な音量レベルのコンプレッションがシッカリされていない場合もある。本機はそういった事がほとんど感じられず音楽的なコンプレッションを得られるのと共に、一言で言うとロックな質感を加える事が出来る。 コンプレッションが自然なのは、 アタックとリリースのタイム感が、実際の音声信号のエンベロープに対して絶妙な設定になっているからだと思う。この辺がジミ・ヘンにも認められたロジャー・メイヤーのセンスなのかも知れない。



ギターやベースとアンプの間に挟む事だけを目的にすると、レベルマッチングの面でSNだけはちょっと厳しい。が、ラインレベルで使うのには全く問題ない。味があって実用的なスタジオコンプをお探しの方は買うべし。個人的にはオリジナルの2chヴァージョンの再発を求む!

Written by

名前:
大西ワタル
サイト:
http://bazookastudio.com/
最終更新時間:
2013年05月27日20時38分