audioleaf WEB MAGAZINE

大西ワタルのDTM機材メッタ斬り!! Vol.38 -Equation Audio f20- その2

2011年8月31日15時13分 in レビュー

前回に引き続き、今回もEquation Audio f20(いくえーじょん おーでぃお えふにじゅう)を試したい。



ボーカルやアコースティックギターに使える音色だという事が判ったが、今回はドラムなどに試してみる。

ドラム
箱を見ると"Overheads"と書かれている。
これはドラムのトップマイクの事だと解釈し、1本だがドラマーの背後上方からキット全体を狙う感じで立ててみた。ちょっと高級なコンデンサーマイクと対決させてみた。

テストドラマーは、なんと我がバズーカスタジオが誇る御大、Patch北口氏だ!



写真上部中央に立つのがf20、左右に立っているのがNEUMANN U87(のいまん ゆーはちなな)。
このNEUMANN U87はたびたびメッタ斬りにも登場しているが、ドイツのノイマン社が誇る世界のキングオブコンデンサーマイクである。

U87はステレオ、f20はモノラルと、マイクポジションが異なるが、キャラクターの違いはかなりある。
U87の方が空気をよく拾い遠い感じで収録され、f20は割とフラットでタイトな音場を表現した。

タイトではあるがシンバルも耳に痛く無く、皮もの、特にスネアの感じが好印象だった。指向性があまり広くないようで、部屋の響きをたっぷり録るというよりはキット全体をバランスよく1本で狙えるという良さがあった。この頭上1本マイクセッティングは非常にオールドスクールなもので、キックにマイクを1本足せばレトロでシンプルなモノラルキットという感じで録音する事が出来るだろう。しかしハイファイすぎるマイクではシンバルがうるさいし、リハスタのSM58というのもまた違う。f20はこのセッティングにした場合、ハイファイかと言われたらそうでは無いが耳障りな部分がなく、中域~中高域がタイトに出ている上でコモらず芯があり味のある良い音だと感じた。

調子に乗ってスネアのオンマイクを試してみる。



Max SPLといって最大対入力音圧レベルが150dBと、コンデンサーマイクの中では抜群に高い事を発見してしまったので、どうしても試したくなってしまった。
この場合は-16dBのパッドを入れて使用。スネア上面全体を15cmくらいの距離から狙ってみたが、中低域が野太く立体感のあるザラツキが録れた。バンという低めのアタックが録れる印象で、帯域的には200~400Hzあたりの胴鳴りと1k~2kHzあたりの皮鳴りが良く録れるという感じだろうか。雰囲気はライトなサウンドではなくダークでスネアの実体がはっきりしている。
プロツールスに録って見ると、聴感上でもマイクプリでも歪んでいないハズなのに波形が真っすぐになっていて、実はマイクで歪んでいるという事が分かり、マイクが少し可哀想になった。

しかしそんなことで挫けず、さらに調子にのってキックのオフマイクにも立ててみた。
さすがに50cmは離してみたが、結論をいうと、これは特に立てなくても良いかなといったサウンドであった。装着されるマイクホルダーはサスペンションにはなっていない為、振動がダイレクトにマイク本体に乗るからであろうか。あまりヌケてこないサウンドであった。



ディジェリドゥ、口琴にも試してみる。
あまりオーソドックスな楽器では無いのだが、どちらも全く問題ない、良い音で収録することが出来た。宅録で迷った時にこのマイクが1本あれば、とりあえずなんとかなるだろう。
この時の印象からすると、管楽器類にも良いと思われる。
金管楽器などをキンキンさせることなく収録することも可能であろう。


そもそもこの価格で、これだけ使えるマイクというのは希な存在だと思う。
まず安価なコンデンサーマイクにありがちな"高域は伸びているが耳に痛い"部分が無く、音場・指向性も広すぎず自然、トランジェントはダイナミックマイクには無い正確さを備えている。
注意点としては、マイクホルダーがマイク本体に強固に取りつけられている為、マイクスタンドが拾う振動には弱いという所だろうか。



そんな時は本体のローカットスイッチを有効に使いたい。

この見た目が好きで、コンデンサーマイクが1本欲しいという人は買うべし。この見た目が好きだけどローファイサウンドは嫌だなという人も、安心して買ってよし!

Written by

名前:
大西ワタル
サイト:
http://bazookastudio.com/
最終更新時間:
2013年05月27日20時38分