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THREE CHORD -mini album-”trinication”レビュー

2008年8月04日18時18分 in レビュー

trinication 1.F.F.
2.イノセントブルー
3.君依存症
4.ラストダンス
5.徒花
アーティスト名 / THREE CHORD
作品名 / trinication
発売日 / 2008年4月9日
品番 / DPRC-3002
レーベル / DPJ RECORDS

久方ぶりに忘れていた、「荒々しさ」「衝動」を感じる音源に出会う。 THREE CHORDのmini album「trinication」は、そんなアーティストなら誰もが素直に表現したい核である「気持ち」が詰め込まれているように思う。どうしても製品として世に出すにあたり、そういった衝動的なものよりも、完成度やクオリティ、質的なものを優先してしまう傾向にある現在のシーンの中で、自分の心の底から来る「叫び」や「思い」みたいなものをその手の先にある楽器と声に乗せて叩きつける。本来のロックのあるべき姿がここにはある気がする。

それ故に「荒々しく」も欝々しい青臭さが妙に心に響いてしまう。受け取るリスナーに合わせた音楽じゃなく、ロックというものが、ロックたる理由である、「存在を叫ぶ」ということを体現しているんだろう。「俺たちはこういう音出してるぜ!」聴いて何か感じるヤツは手をあげろ!無骨ながらも、純然たるロックの心をパッケージしていると感じた

ただ、楽曲については各所にコダワリや繊細さも感じる。フレーズチョイス、コードワーク、ベースラインの経過音の流れ方。心地いいクランチがかったグレッチの音が耳をつく。#1インストである「F.F」でまずは3Pのロックを叩きつける。GUN'S N ROSESの ”RIGHT NEXT DOOR TO HELL”を思わせるベースの入りでロックファンの心を掴んだと思えば、#2「イノセントブルー」の切なくも鬱なメロディーがドライブしていく。そしてまた、#3「君依存症」では別の表情で文字通り「スリーコード」のリフが胸を刺す。

音源を聴いていて一番思うことは、「ライブを見てみたい」という感情になること。どういうステージングなんだろうか、という想像を巡らせながら聴くわけだが、何か、その想像を上回ってくるのではないかという期待が沸いてくる。音源自体が非常にライブ感を内包していると感じるが、だからこそ、「生」で体感したい、そのように思うから不思議だ。

己が内に秘めた、「何か」を吐き出したいヤツ。綺麗な音だけをチョイスした商業音楽に飽きたヤツ。すぐにこのミニアルバムを手にすることをおすすめする。

Written by

名前:
Low-K
最終更新時間:
2009年10月19日13時50分