audioleaf WEB MAGAZINE

SOUL-D! presents "キョウシカナイ07 WEST" ライブレポート前編

2007年11月12日16時50分 in レポート

EVENT DETAIL

Date :2007年10月27日(土)
Place:神戸ARTHOUSE
Title:SOUL-D! presents キョウシカナイ07 WEST"
Time :Open 17:00 / Start17:30
Price:¥1,500 / Door ¥2,000 (Drink¥300)

出演アーティスト

O.AFGC
1.MONSTER★MAN
2.DAVITZ
3.Silence Disorder
4.THE HORIES
5.gimme five
6.SNAKE BITE SNAKE
7.SOUL-D!

キョウシカナイ07 WEST @神戸ART HOUSE 今日という日は二度と来ない、だから今を生きろ、今を楽しめ。

そんな思いを掲げ、グルーブモンスターSOUL-D!が立ち上げた最強のライブイベント「キョウシカナイ」。SOUL-D!自身が最も大切にしているモンスターイベント「ROCK BOX」にも負けないほどの気持ちを込めた、イベントだという。そしてそんな彼らの呼びかけに呼応した、「今を生きている」バンド、究極にリアルなアーティストだけが集結し、東西2箇所で開催された。1回目は2007年9月9日稲毛K'S DREAM。そしてファイナルとなる2回目が先日2007年10月27日に神戸ARTHOUSE。

今回のこのイベント、開催前からaudioleafでは注目し、SOUL-D!リーダーのHIDE氏との協力体制のもと、イベント自体のサポートをさせてもらうこととなった。そもそもaudioleafでもイベントを開催している経緯から、インディーバンドが主催するイベント、数多のライブハウスで日々きられているイベントというものの、本質というか、意味みたいなものをすごく考えてきた。

そんな中で、あるきっかけで知り合うこととなったHIDE氏とディスカッションを重ねていく内、彼らが持つイベント観、歴史あるイベントを成熟させシーンを作ってきた強さ、音楽というもの、ライブというものに対する真摯な気持ちと愛、今の数多のイベントに何が必要で何が足りていないのかといった様々な刺激や思いを与えてもらった。そして、多くの共感を覚え、開催が決定しているという今イベント「キョウシカナイ」をこの身をもって体感してみたいと思ったのが、協賛に至るまでの経緯だ。

結論からいってしまえば、『こんな楽しいイベント他にはない』2箇所ともに、今まで見たことがないくらいの盛り上がりを見せていた。全員が音に酔い、前から後ろまで手を上げ、ジャンプし、ライブハウスを揺らす。ライブというものの本質がそこにはあったように思う。とてもチープな言葉でしか表現できていないかもしれないが、そうとしかいえない。だってこんなにも、全バンドがイベントに対しての気持ちが強くて、愛していて、絶対に自分達がその中でも一番かっこよくあるんだという、真剣勝負な気持ちもあって、更には、自分が一番楽しんでやるんだって思ってて、それをみているお客さんが当然心から楽しんでいて、誰一人会場でつまらなそうな顔をしている人がいないなんて、これこそがイベントだろ!と心から思う。

どれか目当てのバンドだけは楽しそうだけど、他のバンドや初めて見るバンドは知ったことじゃない、、なんて人いなかった。。SOUL-D!が自信もって呼んだバンドだから、っていう意識もあっただろうし、何より全てのバンドが最高のステージをやってのけたのだから、当然なのかもしれない。それでもお客さんの姿勢ってそう簡単にステージに向けられるものじゃないんだけど、本当に会場にいる全員が「この瞬間は今しか、今日しかないから楽しまないと損」っていうことを心底わかっていたんだとおもう。それを『気持ち』で浸透させてきたSOUL-D! なんていうか「音」が「思い」が言葉を超えて響いていくんだってことを改めて体現してくれていたんだとおもう。

さて、前置きがだーーいぶ長くなってしまったけど、興奮冷めやらない内に全バンドのライブについてリポートしたいと思う。僕のように言葉の足らない人間のリポートだからうまく伝わらないかもしれないけど、できる限りあの日のあの熱を多くの人に伝えることができればと思う。

この日は全7バンド+OAというかなり長丁場なタイムテーブルで進んでいたわけだけど、とにかく普通のイベントではあくまで前座なポジションにある、「OA」から既に会場はヒートアップしていたわけだ。そんなところからも、お客さんの今日一日に対する期待感や、熱が読み取れる。

【FLYING O.A】「F.G.C(フライングギミクルー)」
フライングギミと名前が象徴するように、開始予定時間よりもフライングしていきなりスタート。そもそもはFENDI,GUCCI,CHANELの3MCが、ビースティーさながらの、激ヤバトラックにファニーフロウをバシバシのせてくる、前述のSOUL-D!HIDE氏が親しいバンド仲間と作った(笑)HIPHOPユニットなわけだが、WEST版のキョウシカナイ限定で登場した彼らはなんと初っ端から「生楽器演奏」でラップするという奇行に出る。(GUCCI=ドラム FENDI=ベース CHANEL=ギター)この時点で彼らのファンは当然ブチ上がりだし、知らない人も、その演奏の楽しさに手をあげずにはいられないという感じ。そして、そこからイツモのナンバーとゆるいMC(笑)とにかく彼らの素敵なところは「ゆるい」ということ。素晴らしく”真剣”にゆるいんだ。真剣にゆるいから楽曲に手抜きはない。トラックなんて相当クオリティ高いし、エンターテイメントとして成立していると思う。それを裏付ける逸話として、この日のMCでも彼らが言っていたが、ある誰でも知っているような大手メジャーレコード会社から「ライブが見たい」的なアプローチがあったそうな。。でも「あっさり断った(本人達談)」という言葉が象徴するように、彼らなりの「手抜き感」というものへのこだわりが見えた気がした。

短い時間に、濃度の濃いはちみつでも一気飲みさせられたようなOPENING ACTで一気に会場の空気が暖められ、遂に本編へと突入していく。

【1】MONSTER★MAN試聴
OAを受けてのイベントの勢いを決める重要な1番手は、惜しくも12月7日に解散となってしまう、地元神戸のエモーショナルロックバンド「MONSTER★MAN」が登場した。実際僕自身彼らのステージを見るのは初めてだったのだが、改めてその土地土地にしっかりと良い音楽は根付いているのだなと認識させられた。哀愁を帯びたメロディーラインをEMOを含むPUNKアプローチな疾走感ビートがかっさらっていく。出だしから超ハイテンションで飛ばし続ける彼らの姿は、確実に解散を惜しむ感情を呼び起こさせるのに充分なステージだったと思う。「もったいない」そう心から思えた。彼らの曲はおそらく日本詞と英詞があったと思うけど、なんていっても、ライブであそこまで日本語の歌詞が刺さってくるっていうのはすごい。その悲しげでむき出しな感情のまま、日本語とあいまって直接琴線を刺す刺す。どのバンドも一様にそうだったが、一バンド目からこのライブ感。期待感を煽るという意味で最高の1番手だったとおもう。

イベントの勢いは完全についた。そこらじゅうから転換中もワイワイと話し声やら笑い声が溢れて、まだ1バンド目が終わったばかりなのに、ライブハウスには相当な数のお客さんがいるし、なにより皆がステージへの期待でイッパイという表情。既に空気が出来上がってきているという印象を受けた。そして東京からのバンドとしての1発目が始まる。

【2】DAVITZ試聴
初の神戸進出。まったくのアウェイという状況の中、彼らのライブは幕を開ける。正直彼らがこういった状況下の中でどこまでできるのか、期待と不安を持って観戦することになった。東京でのライブを幾度か見たときは、会場を一体とさせる手腕を存分に発揮する彼らだが、同じテンションでそれを持ってこれるのだろうかと興味を持っていた。
おなじみの『DISTURBED/10000FISTS』がSEで流れる。曲が弾けたと同時にメンバー登場。この時点ではまだ会場も探りを入れている状態に見える。SEが終わりギターのディレイがかったイントロから1曲目が始まる。そして全パートが入った途端、突如スイッチが入ったように会場の空気が変わった。メタルなリフと2バスの超ヘビーな演奏に、どこかノスタルジックで日本人の心を揺さぶるような歌謡的なともいえるメロディーがのる。音としては正に「爆音」なんだけれど、しっかりと作りこまれた繊細な楽曲が耳に心地よく届き、そのドライブ感で体を揺さぶらないわけにはいかないといったところ。気づいた時には周りの人のほとんどが手を上げ、興奮に包まれていた。「このバンドってどんなの?」といった感情を全て吹き飛ばし、手をあげるしかない所までもっていける説得力は正直言って圧巻の一言。MCも冴えライブ一つのパッケージとして確実に完成されていた。CDでは伝わらない何かがそこには存在し、人の高揚を誘うパワーはどんな場所でも彼らにとってわけなく発揮できるのだなと改めて感じさせられるライブだったように思う。

【3】Silence Disorder試聴
改めて思うことがある、アーティストはそれぞれ他の誰にももてない「空気」というものを持っているのだと。彼らは正にそこが際立っていると感じる。神戸の2番手として登場した彼ら。とにかくその空気感、雰囲気が素晴らしい。へヴィなリフ、炸裂する16分というのは、割と珍しくないヘヴィネス、ミクスチャーなサウンドなのかもしれないけど、他のバンドには絶対に出せない空間がそこには広がる。凝縮されたドンシャリヘヴィサウンドなんだけど、妙に奥行きがあって、ビートを確実に刻む「静」なAメロから全てを吐き出すシャウトへ変わる「動」になる瞬間がたまらない。フロアにいるお客さんは一様に縦に頭を、体を動かし重厚な音の波にのっかっていこうとする。その上から彼らが更に重い音で潰しにかかる。見えるはずのない、ステージとフロアの間の「フィールド」みたいなものが押し合いでもしてるかのような勝負感とでも言うんだろうか。キョウシカナイ、今日しか聞けない、今日しか演れない音ということを充分に分かった上で生み出しくるサウンドには、当然のように会場は答えてきていた。MCからもその思いは伝わってきたし、本当に今日のイベントへ望む姿勢、お客さんに向かう姿勢が気持ちよかった。

怒涛のように続く最高のパフォーマンス。それぞれの「意識」というのが違うだけで、ここまでイベントの内容というのが左右されるものなのかと本当に体感してしまった。普通ならここまで重厚で耳が痛くなるような演奏が続けば多少の中だるみが起きてしかるべきだと思うんだけど、誰一人としてそういう顔をしている人がいないのだから、恐れ入る。そんな期待感が続く中、千葉が誇るルーツロックの申し子は姿を現す。

後編につづく

Written by

名前:
Low-K
最終更新時間:
2009年10月19日13時50分