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サウンドから伝わる景色… テクニカル、グルーヴィロックバンドgimme fiveライブレポート

2007年11月21日16時52分 in レポート

イベント情報

Artist:gimme five
Date :2007年11月12日(月)
Place:新宿MARZ
Title:MARZ presents"Mix Up"
Time :Open 18:00 / Start18:30
Price:¥2,000 / Door ¥2,300 (Drink別)
With :gimme five / Cuckoo(クーク) / メトロスター / cut by relee / オゼキマイ / ELIZABETH.EIGHT

セットリスト

1.DAITAI
2.LOOP
3.ゆらゆら
4.新曲
5.across the night

11月21日には地元神戸にて自主企画も開催されるgimme five、ライブレポート

今回のライブレポートは神戸のgimme five。神戸のバンドながら、毎月のように東京へも足を運び、精力的に活動を続ける。地道な活動と共に着実に知名度を上げつつあるgimme fiveの感情剥き出しの熱いライブに直撃してきた。

11月12日、月曜日。いつものように明るくにぎわう新宿の街に更なるパワーを与えるべく激アツのライブを展開する神戸のgimme fiveのライブに足を運んだ。

総勢6アーティストが出演したこの日の会場は新宿MARZ。非常に上質なライブハウスであり、音、設備など、あらゆる面が優れているライブハウスだ。清潔感あるフロアと雰囲気の良いバーカウンター、客としても、出演者としても非常に居心地の良いライブハウスと言える。

あらゆるジャンルのサウンドがフロアに向けて次々と放たれる。個性的なアーティストが独自の熱いパフォーマンスを繰り広げる中、gimme fiveが登場。

「神戸からやってきましたgimme fiveです!」Ba.オオカワ アキラの一声からgimme fiveのステージが幕を開けた。1曲目、雰囲気あるイントロのエフェクト系のギターが印象的な「DAITAI」でスタート。gimme five独特の雰囲気を保ちつつも、グルーヴィなリズムが非常に心地良く、演奏力の高さを感じる。中盤以降アグレッシブに展開される楽曲だが、その中において、ボリュームコントロールなど非常に表現が困難な部分も容易く表現してくる辺り、演奏力だけではなく、アーティストとしてのセンスも感じた。勢いあるサビには鬼気迫るような迫力があり、gimme five四人が一瞬にして会場全体を支配するかのような、そんな雰囲気が醸し出されていた。全てのパートが細部まで作りこまれており、劇的に展開されていく楽曲はgimme fiveならではのセンスとして脳に突き刺さってきた。

出だし1曲で会場の雰囲気がgimme five一色に染まったのを感じた。これもgimme fiveだからこそ成せる業なのかもしれない。ボルテージも上がった会場に、間、髪入れず2曲目「LOOP」。gimme five代表曲とも言える人気の楽曲。心地良くグルーヴを感じるギターのカッティングからの展開は、自然に体が動く程リズミカルで、そこにアクセントの効いたリズムがタイトに入ってくる。そんな中で、自在に変化を見せるVo.nanaeの表現力の高さには驚かされる。随所にフックが仕掛けられ、そのどれもが楽曲を、旋律を、より一層際立たせている。流れるような雄大さを感じるサビは、一度耳にしたら忘れられないようなメロディの秀逸さを前面に出しながらも、感情剥き出しに、叙情的に歌い上げるVo.nanaeの迫力も融合し、今まで感じたことの無い世界観を見ることができた。ステージで観ることができる"エモーショナル"という部分の本質がそこにはあったと言っても過言ではないだろう。

ここで最初のMC。Ba.オオカワ アキラが「自分達の曲を聴いてもらおうというわがままなバンドです。」と言って会場を沸かせる。しかしながら、この言葉を聞きながら、わがままなのではなく、良い楽曲を作っていることへの自信のようなものを勝手に感じた。それほど上質な楽曲と、ステージングを披露しているgimme fiveだけに、異常にこの言葉に説得力があるように感じたのだ。

3曲目「ゆらゆら」。スローテンポなナンバー。曲名通りの空気感が体全体を包み込むような、どこか暖かさを感じる楽曲に身を委ねることができた。その静寂感を切り裂くように鼓膜に響いてくる抜けの良いスネアが非常に心地良く、その説得力とも取れるアクセントと掛け合うかのように楽曲全体をパッケージしていくVo.nanaeの歌声が、gimme fiveの世界観に誘うかの魅力を放っていた。また、不思議と耳が向いたのはリズムであった。本来リズムはギターなどと異なり、装飾的に作用することの少ないセクションではあるが、この曲に関して、リズムが非常に色濃く雰囲気、空気感という感覚的な部分を出しているように感じたのだ。そこに輪をかけるかのようにギターがまた違う雰囲気を投げかけてくる。次から次へと放たれるgimme fiveの世界観がまさに溢れ出てくるような、そんな楽曲であった。

続いて余韻に浸る間もなく4曲目。非常にアグレッシブにまた違ったgimme fiveの一面を出してくる楽曲。新曲と言うこともあり、まずは見入ってしまったが、非常に完成度の高い仕上がりを披露してくれた。コーラスワークがメロディを最大限に惹き立て、最高な旋律を奏でていく。にもかかわらず、gimme fiveらしく一筋縄でいかない楽曲構成と表現力で観る者を魅了していく。パワー感抜群のこの楽曲は、新曲で、初めて耳にしたにもかかわらず、gimme fiveらしく、gimme fiveにしか成し得ないような世界観を存分に発揮していた。相変わらずVo.nanaeの歌唱力はオーディエンスを釘付けにし、その表現力は群を抜いていた。テンポ良く繰り出される楽曲の演奏力も高く、もはやインディーズレベルを逸脱したライブを展開していた。

ここで2回目のMC。Ba.オオカワ アキラが「私は神戸が大好きであります。新宿も大好きです。12月中旬に再び東京へ…新宿の夜を越える曲を最後に」と独特の口調で言い、ラスト5曲目「across the night」に入っていく。ほぼ毎月のように東京でライブを行うgimme fiveが、全身全霊を持ってラストの楽曲に全てを注ぎ込んでパフォーマンスする熱いステージであった。

そんな、この日ラストの楽曲は「across the night」今までの楽曲以上にドラマチックに展開するこの楽曲は、何と言ってもVo.nanaeの表現力が一つの"芯"になっているように感じた。ミドルテンポで四分のダンスビートに近いニュアンスながらも、gimme fiveらしいグルーヴィなタイトさとテクニカルな表現力が、これ以上無いほど楽曲を惹き立てている。サビでの広がりがgimme fiveのサウンドに対する無限とも言えるセンスの高さを明確にしている。その表現力は、意図したものを楽器という、バンドサウンドという、ある種制約の中にありながら、余すところ無く提示してくるgimme fiveのアーティストとしての完成度を見せ付けられた楽曲だった。興奮冷めやらぬうちにgimme fiveのライブは幕を下ろした。

ライブ終了後、呆然と余韻に浸ってしまった。アーティストとしての完成度、それを不動のものにする素晴らしいセンスと表現力、一つのライブを通して、一貫してそれらを楽曲に反映していたgimme fiveの根底の強さをはっきりと見て取れたライブになった。メロディの良さが何よりも目立つ中で、楽曲構成、リズム、バンドの雰囲気に至るまで、繊細に構成されている印象だ。やもすれば、「マニアック」と捉えられる部分が多い中、ギリギリのラインで回避し、にもかかわらず、表現したいことをしっかりと出してくる線引きが困難な部分も、本人達にはしっかりとした境界線が見えているのかもしれない。常に上質なサウンドを放ち続けるgimme five。今後、頭角を現し、新たなシーンのパイオニア的存在になる可能性を充分に秘めているように思えてならないのだ。

11/21自主企画開催!
12月にも東京でのライブが決定しているgimme five。精力的に活動を続け、地道に自分達のサウンドを築いてきたgimme fiveの世界観は今後、シーンのスタンダードに遷移していく可能性をも秘めていると言える。そんなgimme fiveの世界と空気を是非とも味わってください。

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最終更新時間:
2014年05月12日16時39分