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THE HORIES最高のロックを放つ怒涛のワンマンライブレポート!

2008年3月26日16時57分 in レポート

イベント情報

Artist:THE HORIES
Date :2008年2月19日(火)
Place:稲毛K'sDREAM
Title:THE HORIES ワンマン
Time :Open 18:00 / Start19:00
Price:¥2,000 / Door ¥2,500 (Drink別)
Act :THE HORIES

セットリスト

1.Freedam Fighter
2.I wanna take your hand
3.Ready to kiss
- MC -
4.Bridge
5.X'mas Letter
6.Dragon Song
- MC -
7.Loop
8.#007
- MC -
9.Spiral Drops
10.ジョウゲンノツキ
- SE -
11.Conviction
12.Rock Holic Carnival
13.CRAWL
- MC -
14.Loser
15.Promise
- MC -
16.Calling
17.Roots it Music
- encore -
18.once more

今まで以上にパワーアップしたTHE HORIES、怒涛のワンマンライブレポート!

今回のライブレポートは千葉のTHE HORIES。稲毛K'sDREAMを拠点としながらも、日本全国でライブ活動を行う非常に精力的なバンド。そんなTHE HORIESのワンマンライブを直撃レポート!

2007年12月8日、土曜日。THE HORIESのワンマンライブが急遽中止になった。メンバーの一人が不慮の事故により脱退を余儀なくされた為である。チケットもSOLD OUTし、会場を埋めつくしたファンの熱気は最高潮に達していた。そんな中、ステージに現れたメンバーから事情説明。一瞬にして静まり返った会場の中、ただ頭を下げるメンバー小山と金坂の姿は悲しくも印象的で、謝罪と悔しさとが混在しているように見えた。困惑を隠しきれない会場のファンの中には涙を見せる者もいた。しかしながら、それ以上にいきなり起こった出来事にメンバーが最も困惑しているに違いなかった。THE HORIESにとって何とも忘れられないそんな12月8日から約2ヶ月。振り替えワンマンというにはあまりにも早い期間でのワンマンライブに平日にも関わらず、多くのファンがTHE HORIESのワンマンを祝福したのだった。

急なメンバー脱退に見舞われたTHE HORIESではあったが、この振り替えワンマンまで活動していなかったわけではなかった。月に7本~8本ものライブをこなすTHE HORIESにライブ活動を止めるという選択肢は全くなかった。すぐさまサポートのメンバーを入れ、同月のカウントダウンイベントにはライブ活動を再開。2008年2月19日に決定した振り替えワンマンを一つの目標におき、再スタートを切ったのだ。THE HORIESの勢いはこのくらいのことでは止まらず、むしろ速度を増したとすら言えるのではないだろうか。

数人のサポートメンバーをローテーションしつつ、正式メンバーを探し、尚且つ、ライブと曲創り、振り替えとなったワンマンライブのプロモーションなどを並行する。これほどの作業を一瞬の隙もなくこなしていくTHE HORIESの底力を目の当りにし、バンド活動と現実、双方を直視し考え、真剣に取り組む本物のバンドが存在していることへの期待感を抱かずにはいられなかった。これほどまでに「バンド力」を持ったアーティストはいないのではないだろうか。

様々な想いを抱きつつも期待がより一層増した2008年2月19日のTHE HORIESのワンマンライブ会場、稲毛K'sDREAMに足を運ぶ。平日にも限らず、本当に多くのファンが詰めかけていた。K'sDREAM1階にあるバースペースには人だかりができ、お酒や会話で楽しむファンの姿が多くあった。そんな彼らの表情からはやはりTHE HORIESに対する期待感が見て取れるのであった。

地下のフロアに入ると、そこは既に多くのファンの熱気で包まれ、ワンマンライブ用にセットされたステージは、向かって左側にドラムセット、中央にギターアンプ、右側にベースアンプがセットされていた。そして、多くのキャビネットが積み上げられ、THE HORIESのフラッグが高々と掲げられていた。見た目的にも非常にかっこいいステージにますます期待が膨らんでいく。そんなTHE HORIES一色に染まった会場の中、SEが流れ、メンバーがステージに登場。大歓声の中、ついにライブがスタートしたのだった。

1曲目から次回作に入る予定の新曲「Freedam Fighter」。アグレッシブに力押ししてくるナンバーながら、非常に繊細さも感じるこの楽曲は、よりTHE HORIESらしくドライブ感たっぷりにパフォーマンスされ、爆音と共に、最高に熱い楽曲からのスタートとなった。出だしの一発目から爆音が鼓膜に響き、THE HORIESのライブではもはや代名詞となったこの爆音が、非常に心地良くすら感じてくる。爆音ながら、ただ音が大きいだけではなく、しっかりとした演奏、バランスの良さがあるからこそこれだけの爆音が心地良く聴けるのだろう。これがTHE HORIESのライブだという実感と、ワンマンの場に戻ってきたという感慨深さが、興奮と共に湧き上がってきたのが分かった。爆発寸前の会場に向けて、間髪入れず「I wanna take your hand」。もはやライブでお馴染みとなったこの楽曲は、お客さんの反応も非常に良い。日本語の歌詞が完璧にマッチした最高の旋律が会場に向け放たれる。間奏部分では変拍子も織り交ぜるなど、一筋縄でいかないフックの効いたサウンドに会場のボルテージも最高潮に達していた。3曲目「Ready to kiss」。初めて聴いた新曲であるにも関わらず、全く違和感なく楽曲に入っていけるこの空気感が、THE HORIESの特長の一つというべきかも知れない。圧倒的なまでに重厚なサウンドとドライブ感、ステージ上での威圧感と言えるほどの迫力、どれをとっても芯がぶれない彼らだからこそ成し得る業と言えるだろう。

ここで初めてのMC。じっくりと一人一人に向け感謝の意を表するVo&G;小山。それに応じて、心底、笑顔で楽しんでいるファン達。最高の空間がそこにはあった。本当の、本物のライブがそこにはあったのだ。「今日もよろしく!」という小山の一言から4曲目「Bridge」。ミドルテンポでリズムのボトムが感じられるグルーヴィーな楽曲。フルアルバム「CRAWL」の1曲目に収録されているこの楽曲は、やはりオーディエンスの反応が非常に良い。サビの広大な世界観はVo&G;の小山のメロディーセンスに加え、声質の良さがより際立っているように思えた。シンプルながら飽きない楽曲構成と抜群のタイム感が光るTHE HORIESの楽曲は、様々な背景が垣間見えつつも、安定した土台にこそ成り立っていると実感できる。続けて5曲目「X'mas Letter」これも新曲。様々な要素が絡む楽曲ではあったが、無駄な部分が一切無く、その中で伝えたいことが明確にされているあたりは強い説得力のようなものを感じ、また違った、しかしながらTHE HORIESらしさが色濃く感じられるナンバーと言えるだろう。6曲目「Dragon Song」。パワー感が伝わるイントロのギターが印象的なナンバー。ミドルテンポで展開していくこの曲は、テンポ以上に疾走感のようなものが感じられる。シャウト系の掛け声がより会場を一つにし、圧倒的なテンションが感じられた楽曲であった。

2回目のMCを挟んで名曲「LOOP」。サビ始まりのこの楽曲は、のっけからTHE HORIESの世界観が色濃く感じられる名曲。非常に印象的な旋律が秀逸に放たれ、Ba金坂のコーラスが楽曲を一際惹き立て、何倍も旋律を生かしている。本物のエモーショナルと言っても過言ではないこの名曲が会場に放たれた瞬間、会場全体がTHE HORIESの世界に入り込んだのが分かった。鳥肌が立つようなその感覚は彼らのサウンドをより臨場感あるライブの世界へと誘うかのようであった。余韻に浸り、少し間をおいて8曲目「#007」。雰囲気あるベース始まりのこの楽曲は、リズムのトリッキーさが印象的。Aメロにおけるボーカルとリズムの掛け合いは非常にグルーヴィで、音を出していない空間を上手く使いこなしていると言える。16ビートの中でいかにドライブ感を出し、疾走感が保たれるか難しい楽曲であるにも関わらず、意図も容易く演奏してくる彼らの技量の高さはさすがの一言であった。

ここで3回目のMCを挟み「Spiral Drops」。スローテンポの中で切なく哀愁漂うギターサウンドと変拍子やアクセントを上手く駆使したフックがより旋律を際立たせている楽曲。何回も言うようだが、THE HORIESの楽曲は本当に聴いていてすぐにのれる。ただただ自分達の芯を貫き通す彼らの姿勢がこういう部分にもリンクしてくるというのが、手に取るように理解でした。例え、初めて聴く楽曲であっても、身体が勝手に心地良いリズムに合わせて動き、気付くと拳を突き上げている。メロディーの良さとそれを活かしきる楽曲構成、良い曲ながら単調で終わらないTHE HORIESらしさを自然と感じる事ができ、そこには楽曲アレンジが非常に効果的に仕掛けられている。併せて、全く中弛みが無い状態で進む彼らのライブから、ライブの上手さというものも非常に感じた。百戦錬磨という言葉が彼らにはピッタリと当てはまり、ライブバンドとして最高のパフォーマンスを常に出してくる、そんな印象を強く受けた。そんな中、10曲目「ジョウゲンノツキ」。一転して聴かせる楽曲。この曲がまたライブ自体にアクセントを加える素晴らしい効果を与えていた。切なく、哀愁漂うメロディーが脳に染み込んでくるようなこの楽曲は、THE HORIESの楽曲の中でも一見異色な存在であると言える、しかしながら、違和感なく聴くことができ、どことなくTHE HORIESらしさ、色が存在していることにふと気付かされた。彼らの根底にあるTHE HORIESというサウンドの幅、彼らの可能性の高さを感じた1曲であった。

少し間をおいてSEがかけられる。ライブ中盤でのSEという一味違う演出にワンマンという長丁場をオーディエンスの為にどう展開していくか、細部まで考え抜かれた演出であると言える。「CONVICTION」のイントロを編集した内容のSEが雰囲気を切り替えるかの如く流される。ライブでの人気も高いこの曲のイントロが流れ始めた段階で、既にオーディエンスは大歓声を上げ、THE HORIESの演出に花を添える。そのまま11曲目「CONVICTION」がスタート。中弛みさせないTHE HORIESのライブ、また後半のスタートだと背中を押されるような演出で怒涛のライブが改めて展開されていく。サビ部分は歌いやすく耳に残りやすいメロディーで、両手を挙げながら一緒に口ずさむオーディエンスの姿が印象的だった。中盤を迎え、また気合いが入り直したオーディエンスに向け、更にアグレッシブなナンバー「Rock Holic Carnival」が続く。インストの楽曲ながら、展開、サウンド、リズム、リフ、全てが綺麗に混ざり合い、轟音と共に、THE HORIESのロックへ対するテーマのような、強い意思をサウンドから感じた。この楽曲も非常に人気の高い楽曲であるが、会場全体が揺れんばかりにオーディエンスがリズムを取り、身体を揺らしているのが分かった。ライブ中盤になり、更に一体感と熱を増した会場に向け、容赦なく13曲目「CRAWL」。非常に完成度の高い楽曲であり、人気も高いこの楽曲。フルアルバムのタイトル曲となっている事からも分かるとおり、非常に秀逸な楽曲と言えるだろう。イントロのギターが始まった瞬間、会場全体がまた一段とヒートアップし、次に入ってくるドラムロールがさらにテンションを上げていく。爆発的に始まったこの楽曲は、16ビートながら8ビートの疾走感を強く感じ、非常にグルーヴィに展開していく。その中でもリズムの浮き沈みが感じられ、細部まで綿密に作り上げらている印象だ。Bメロは一転、開放的なメロディーと雰囲気が楽曲を引き締めていく。そして、何と言ってもTHE HORIESの魅力の一つは楽曲のタイム感と言える。2分半ほどの楽曲の中に、十分すぎるほどのテーマを盛り込み、無駄のない楽曲構成は、彼らにしか成し得ないものなのだろう。

ここでMC。「今年、KYと言えば"小山よろしく"のことだから!」とオーディエンスを笑わせる場面もあり、よりオーディエンスとの一体感を深めていく。そして、微笑ましいMCとは打って変って、新曲「Loser」。途中2ビートを挟むなどメタル寄りの印象が強い楽曲だが、THE HORIESの掲げるロックという範疇を無駄に出ないそのやり口がまた、彼らの懐の広さであると感じた。これでもかというほど畳み掛けてくるTHE HORIESのライブ。最高に熱いライブが怒涛のように展開していく。すぐさま「Promise」。この楽曲も新曲だが、全く新曲であることを感じさせないクォリティーで演奏されていく。綺麗で伸びやかなメロディラインが楽曲を引っ張りつつも、ツーバスのフレーズが非常に効果的に入り、空間的な雰囲気を出しながらも引き締まったタイトな印象を受けた。THE HORIESというサウンドが完成されている証拠なのだろう。完全なオリジナリティの元、新しく楽曲が放たれていく彼らのセンスに、もはや脱帽するしかなかった。

ここで最後のMC。再三に亘りVo小山がお礼を言う。たくさんの集まったファン一人一人に届けとばかりにお礼を言うその姿には、12月のワンマン急遽中止という衝撃的な出来事の時のあの表情とは違い、心底喜びと感謝があったのだろう。フロアに詰め掛けた多くのファンも同じ気持ちだったに違いない。会場の至る所に満面の笑みがあり、THE HORIESのワンマンという最高の舞台で全てを発散しているように見えた。そしてTHE HORIESはそんなオーディエンスの気持ちを十分に受け止め、全く勢いを止めること無く、終盤のステージに突撃していった。16曲目「Calling」が始まる。THE HOREISにおいて、最も人気のある楽曲とも言える「Calling」が会場に放たれた瞬間、今まで以上に会場が沸き、これでもかと言うほどの熱気が発せられた。しかし、このフロアからの熱気に全く動じることなく更に熱く「Calling」が演奏される。ライブ終盤に差し掛かって更に圧倒的なパワーがステージから放たれてきたのだ。オーディエンス一人一人に熱く届いたに違いない最高の楽曲の後、Vo小山の「ラスト一発!」の声からラスト「Roots it Music」。最高潮のフロアを更に煽るような「Roots it Music」が全力で放たれ、我を忘れ、THE HORIESの最高の楽曲を全身で受け止めた。100%THE HORIESのサウンドに身を委ね、全てをステージに返す素晴らしいTHE HORIESのファン達のパワーもまた、非常に大きなものであった。

    

最高の笑顔でメンバーがステージを後にし、ついさっきまでが嘘のように静けさを取り戻したステージに向け、すぐさま「アンコール」の掛け声。しかし、THE HORIESのオーディエンスは一味違った。掛け声を「KY!」とし、「KY」コールでメンバーを呼ぶ。予想外のコールにメンバーも苦笑いでステージに戻ってきたが、THE HORIESがお客さんを大切にし、常に一体感を保ちながら活動をしてきたというのが、本当によく分かった一場面だった。ありのままの自分達を表現してきた彼らが、これだけ多くのお客さんに暖かく迎え入れてもらえるその理由がこういうところにもしっかりと現れているのだ。「アンコールありがとう!でも、KYって、あんまり気持ち良いもんじゃねーなぁ」Vo&G;小山がそう言い、またフロアを沸かせる。「最後に1曲だけやらせてください。でも、その前に重要なことを…」と言い、まず12/8のワンマン急遽中止の謝罪。そして、この日、正式に決まった新メンバー石原の紹介。新ドラマー石原とは共通のバンド仲間の紹介で2008年1月に初めて会ったとの事だった。それから1ヶ月足らずで20曲ほどを覚え、ワンマンに間に合うよう調整してきたとの事だが、これほどの短期間でよくここまで持ってきたというのが正直な印象だった。演奏もステージも全く違和感なく溶け込んでいる石原がTHE HORIESにまた新しい風を吹き込んでいるようにすら見えた。今後、更に溶け込み、今まで以上のTHE HORIESが誕生するのではないかという底知れない期待感が、また新たに沸いてきた。続けてVo&G;小山は「今日でようやく2008年になった」と言い残し、アンコール「once more」。ギターとボーカルのみで歌い出し、ゆったり流れるようなサウンドが、全身に届いてくる。優しさ、柔らかさを感じる非常に温か味のある楽曲。メロディーの秀逸さが会場全体をゆっくりと包んでいくのが分かる。THE HORIESのサウンドが新しい空気を作り出すような、鬱蒼とした森の中にいるような、そんな広大さを感じたのだ。

あっという間の2時間だった。THE HORIESが放った渾身の18曲は、余す事無く全てオーディエンスに届いたことだろう。急なメンバー脱退によるワンマン中止というバンドの存続すら危ぶまれる状況から、ただ戻ってきたのではなく、パワーアップして戻ってきたTHE HORIESの底力は、計り知れないと思う他なかった。この2ヶ月間、本当のどん底を見た彼らだからこそ、純粋に、正直で、パワフルなサウンドを放つことができたのかもしれない。今までとは一味も二味も違うTHE HORIESに今後とも是非とも注目してもらいたい。ジャンルで括るだけのロックではなく、心の底から表現され、ぶつかってくるロックがTHE HORIESにはあるのだ。本物のライブバンドTHE HORIESが全身全霊で放つサウンドこそ、本物のロックと言うべきなのかもしれない。



2008年夏、2ndフルアルバム発売予定!
毎月7,8本のライブを千葉中心に全国各地で行うTHE HORIES。精力的に活動を続け、地道に自分達のサウンドを築いてきたTHE HORIESのロックとバンド力は、本物と言える。今後シーンの中枢に頭角を現してくると言っても過言ではない。

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最終更新時間:
2014年05月12日16時39分